06.12 議会質問 下元ひろし
12月14日 質問テーマ 生活保護、市営住宅入居問題、同和行政、高齢者支援センター。
日本共産党の下元ひろしです。セーフティ・ネットの拡充・確立と、公平・公正な市政運営を求める立場から、市長の政治姿勢を含め、通告に従い、質問します。
【生活保護】
生活保護をめぐって、心の痛む事件が相次いでいます。
東大阪市では昨年1月18日、78歳の女性と53歳の長男、女性の81歳の姉が餓死。5月23日、56歳の男性が餓死。秋田市では、生活保護を二度申請し、二度とも却下された37歳の男性が7月24日、秋田市福祉事務所前の駐車場で抗議自殺。函館市でも先月15日、福祉事務所に3回生活保護を相談していた49歳の男性が、自宅で首をつり自殺。
北九州市では特に多く、今年4月以降わずか2ヶ月の間に78歳と49歳の母娘、1人暮らしの56歳男性、69歳と62歳の老夫婦の餓死とみられる死体が相次いで発見されています。この56歳の男性は、失業し、電気、ガス、水道も止められていました。男性は昨年9月と12月の2回、門司区の保護課窓口を訪ね、生活保護の受給を求めたにもかかわらず、親族がいることを理由に拒否されています。昨年1月にも八幡東区で、生活保護申請を拒否された68歳の男性が孤独死。
これらの事件は、老齢加算廃止に抗議する裁判のニュースとともに、NHKを始め民放各社も特集番組をくみ、全国に放映されました。特に、なぜ北九州市で多発しているのか。7月22日付の朝日新聞は、「生活保護数値の縛り 開始・廃止・申請に年度目標・行政側にも疑問の声」という見出しで、「北九州市では7区にある福祉事務所が毎年作成している生活保護行政の内部文書で、その年度の保護の開始や廃止、申請の見込み件数を「努力目標」として設定し、毎年春に向こう1年分を作っており、小倉北福祉事務所は05年度について「保護申請・開始時の調査の徹底を行い、開始件数を抑制することにより、990件を開始見込みとする」と明記。若松福祉事務所は相談件数に占める申請件数の比率を示す「申請率」について、「努力目標として過去3年間の平均(18,1%)以下に抑える」ことを掲げている。門司福祉事務所は廃止件数について「05年度中の努力目標50件」と設定している。」ここに、北九州市の、悲惨な事件の続発の原因があると考えます。
今、格差の拡大、貧困の増大で、全国で保護率が上昇し、保護世帯が100万世帯を超している中で、北九州市では1967年の全国一の6.72%(67.2‰)という保護率を、10.17‰、5分の1に引き下げています。全国の政令指定都市では保護率が上昇している中で、北九州市はさらに保護率を下げつつあります。北九州市には、保護費を300億円以上にしてはいけないという不文律があるといわれています。そのための数値目標の設定になっているのではないかと思います。
Q 市長に、北九州市の生活保護行政の評価を、まずお聞きします。岡崎市長が地方6団体の代表として、参加、議論されている「生活保護費及び児童扶養手当てに関する関係者協議会」は、「生活保護制度及び児童扶養手当のあり方について幅広く検討し、給付の適正化に資する改革を推進する」となっていますが、ここでいう「適正化」とは何なのか、お聞きします。
老齢加算が廃止されました。廃止前の15年度は、高齢単身者の85,760円、廃止された今年度は、68,950円。16,810円・19.6%の減額になっています。高知市ではこの結果、高齢者単身世帯の生活保護受給者が16年度の3,286人から17年度は3,129人に、18年11月末は2,882人に「激減」しています。老齢加算の廃止は、あまりにもひどいと、数社のテレビでも取り上げ、各地で裁判も起こされています。さらに、2万数千円の母子加算まで廃止する方向を財政制度審議会が示しました。
Q 約2割がカットされた高齢者の生活費。数十万円の2割ならまだしも、85,000円の2割カットは、大変な打撃です。老齢加算・母子加算は必要ないと考えるのか、高齢者世帯と母子世帯に与える影響について、市長にお聞きします。
つぎに、国民の、「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」が保障されず、命まで奪われるという痛ましい状況が広がっています。景気はよくなっていると言われますが、市民生活にその実感はありません。逆に、年金など社会保障の後退や税制の改定などによる市民の社会的負担は増大しており、市長自らも市民の負担は限界にあると認識しておられるとおりです。生活保護制度が最後のセィフティ・ネットとしての役割を発揮しなければならない社会状況にあると思います。
高知市で北九州市などのような悲惨な事件を起こしてはなりません。しかし、残念ながらこのセィフティ・ネットの存在は、市民に広く周知されていません。本市のホームページでかろうじて、生活福祉課の取り扱い業務として、「生活保護について」という言葉が載っているだけです。
大阪市立大大学院の木下秀夫教授は、「申請主義であればなおのこと、制度が周知されていなければならない。早い段階で生活保護を適用しないため貧困が深刻化して自殺や、犯罪などを招き、その防止に大きな社会的コストをかけている。国は、そのことに気づくべきだ」と述べています。
生活保護制度を、ホームページなどを活用と、生活保護制度の紹介パンフレットを、市の出先機関等にも置くことを求めます。考えをお聞きします。
Q 先ほど紹介した、全国で発生している事例のほとんどは、電気、水道、ガスなどのライフラインが停止状態でした。公的事業所との連携をとるシステムを作る考えがないのか、お聞きします。
生活保護申請書を窓口に置く福祉事務所が増えてきています。新潟県は、県下福祉事務所に対し、生活保護申請書を窓口に置くよう指導することを表明しています。新潟県の福祉保健課長は、「申請意思のある人には申請書を渡し、申請を援助するように、各福祉事務所に徹底する。現に、窓口に申請用紙をおいているところで問題は生じて」いないと述べています。岡山市も窓口に申請書を置いています。私も、10月に岡山市福祉事務所を訪問し、その取り組みなどを調査してきました。置くことによって特に問題は起きていないということです。
昨日、浜田議員も質問で取り上げましたが、日本弁護士連合会(日弁連)が今年6~8月、全国42都道府県で初めて実施した電話相談には634件の相談が寄せられました。このうち保護を断られた180件について検証したところ、118件は自治体が違法な対応をしている可能性があったといわれています。生活保護法では、自治体は申請を受理し、保護に該当するかどうかを審査しなければならず、申請自体を拒むことは違法です。
Q 生活保護申請書を窓口に置く考えはないか、お聞きします。
【市営住宅の入居問題】
市営住宅の入居にあたっては、公営住宅法第22条で、「災害、不良住宅の撤去、公営住宅の借上げに係る契約の終了、公営住宅建替事業による公営住宅の除却その他政令で定める特別の事由がある場合において特定の者を公営住宅に入居させる場合を除くほか、公営住宅の入居者を公募しなければならない。」と規定されています。公営住宅の入居は特別な定めがある場合を除いて、基本的には公募によることを規定しています。高知市営住宅条例第5条では、公募を行わずに入居させることのできる場合として8つの事由を定めています。
Q まずお聞きしたいのは、公営住宅法第22条及び高知市営住宅条例第5条の定め以外の事由により、公募によらないで入居を許可した事例があるのか、お聞きします。
今年度2回目の市営住宅の募集が10月にありました。市営住宅の入居決定は、14年度まで選考方式で行っていた「同和向け」住宅も含め、3年前から抽選方式に変更しました。ところが、今回から、「同和向け」住宅だけ選考方式に変更しました。14年度まで行っていた選考方式は、所得や家賃負担による生活困窮度、世帯構成による住宅規模や世帯状況、衛生状態、環境条件など7項目による「住宅困窮度合いの判定基準」により判断していましたが、今回、選考方式に戻すにあたって、7項目に加え新たに同和対策課(市民会館)の意見を反映させることにしています。このことは、地域改善向け住宅の入居を、同和対策として取り扱っているといえます。
10月30日に、部落解放同盟高知市協議会が対市交渉を行いました。執行部からは市長をはじめ約60名、解同市協から森田益子議長ほか約270名が出席しています。交渉申し入れ書には、「信頼関係を根底から壊してしまうような、住宅入居をめぐる『背信行為』」が二度とないように『切望』」しています。申し入れ書に添付された要求事項は、すべての部局に対し、1.部落差別の現状をどう認識しているのか 2.今回の住宅入居をめぐっての問題の総括 の2点を共通項目として突きつけています。なにかしら「踏み絵」のような感を覚えます。10月5日から配布された入居申込案内書には、選考で行う旨が記されていますが、高知市人権施策推進本部が選考方式に決定したのは、案内書配布開始2日前の10月3日。「住宅の困窮する度合いの判定基準の改正」を住宅審議会に諮問したのは、11月2日です。「同和向け」申込書の最終ページには、抽選日時・場所の「抽選会会場案内図」は手書きの×で「訂正」されています。突然の方針変更により、時間的余裕がなかったことがうかがえます。
Q「背信行為」=信義に反する行為とは聞き捨てなりませんが、一体、どのような「背信行為」があったのか、今回の入居決定方法の変更との関係があるのかないのか、あるのであればその経過を、山下助役にお聞きします。
3年前に「地域改善向け」住宅の入居決定方法は、選考から抽選に変更し、「一般向け」住宅と同じ取扱いにし、応募者の前で抽選を行い決定していました。応募資格も、その地域に1年以上居住していることという条件撤廃され、一般向けと同じ条件に統一されました。この点は評価します。私はこれまで、市営住宅の入居者募集にあたっては、「一般向け」と「地域改善向け」の区別をやめ、「あかるいまち」などをつうじ、すべての市民に周知することを求めてきました。「一般向け」と「地域改善向け」住宅募集の広報・周知の方法が区別されています。「あかるいまち」には「一般向け」住宅しか掲載されていません。市民には「地域改善向け」住宅の募集がされていることがわかりません。公募の方法は、高知市営住宅条例の第4条第1項で、1.市の広報紙2.新聞3.市庁舎その他の区域内の適当な場所における掲示4.テレビまたはラジオ5.防災無線又は有線放送 のいずれか2以上の方法によって行うことになっており、第2項で前項の公募に当たっては、1.市営住宅の所在地2.戸数3.規格4.入居者資格4.申し込み方法5.選考方法の概略その他必要な事項を示すことになっています。
問題なのは、一般向けは、約157,000部発行の「あかるいまち」で全世帯に知らせていますが、「同和向け」住宅は市民会館11館で発行する約8,900部の「館だより」でしか知らされていないと言うことであり、市民会館の「守備範囲」=担当地域に限定されているということです。そして、入居申し込み案内書は、このように、一般向けと同和向けに分けていますが、一般向け案内書を市民の目に触れるところに置いているのは、本庁の市民案内と住宅課、各市民会館、各窓口センター。同和向けは、市民会館のみです。
Q 一般向けも同和向けも分け隔てなく公募することを求めると共に、このような「差別」的な取扱いは、公正・公平な市政執行ではないし、行政の言う「差別解消」に逆行するものだと思いますが、市長の見解をお聞きします。
Q 10月3日開催の人権施策推進本部会議は、地域改善向け住宅の入居者決定方法を選考方式に変え、選考にあたっては、「依然格差の残る地域住民の実態に配慮」するとしていますが、「格差の残る地域」を特定しているのか、市長にお聞きします。
【同和問題】
大阪、京都、奈良市など、関西の自治体で、「同和」絡みの不正事件があいついで起きています。大阪市では「市が同和対策の雇用対策事業の一環として市有地に設けた駐車場の管理運営を約30年間にわたって財団法人・飛鳥会に委託し、理事長が駐車場の収益を着服したとして業務上横領罪に問われた事件。旧芦原病院への公費の不正支出疑惑は、40年間に渡って「解同」系病院に320億円もの補助金・貸付金を支出。「解同」飛鳥支部長が公設駐車場の収益 約6億円を横領容疑で逮捕。京都市では、今年4月から市職員の逮捕者が13名に上り、現市長が就任して以降、この10年間では93人が逮捕。その内容は、生活保護費の着服、覚せい剤絡み、銃刀法違反、児童買春など。逮捕者の中には、「解同」の推薦を受けて「優先雇用」枠で採用された人物が少なくなくありません。奈良市では、5年9ヶ月に8日間しかし出勤していないにも関わらず、ほぼ満額の約2400万円の給料を受け取り、病欠中に、「支部長」「支部協議会副議長」の肩書きをひけらかせて市との行政交渉に参加したり、妻名義の建設業の仕事で市役所に出入りするなどの実態が明らかになっています。
Qこのような、自治体における一連の同和行政の歪みの噴出について、市長の見解をお聞きします。
10月30日の対市交渉で、雇用問題について、「一般行政の中で、どう取り組んでいるのか」という「解同」の要求に対して、水道局の文書回答は、「臨時的な事務補助員や作業員の就労について、一定の範囲で取り組ん」でいると回答しています。正職員と臨時職員の雇用形態の違いはありますが、これは、京都市などで問題になり、批判を受けている「同和特別枠」と同根であり、行政の主体性を放棄したものではないですか。
Q 水道事業管理者の見解をお聞きします。市長部局で「同和特別枠」はあるのか、市長に伺います。また、水道局の「同和特別枠」についての見解をお聞きします。
大阪市は、総額で年間65億円にのぼる同和関連85事業の見直し、12館ある青少年会館の廃止など、24事業約35億円を廃止する見直し案を公表しました。京都の桝本市長は、「同和行政の柱として行った優先雇用での甘い採用が大きな要因の1つ」と指摘し、「同和行政を真に人権行政にするための検討委員会」を立ち上げ、同和行政を再評価したうえで事業のあり方を検討することになりました。厳しい財政状況の中、市民の協力が財政再建は不可欠です。同和事業に「聖域」を設けたままでは、市民の協力を得ることはできません。公正・公平な市政運営の実現と、人件費を除く約4億7800万円の同和事業の大胆な見直しを求めます。
【高齢者支援センターについて】
今年6月から4箇所の高齢者支援センターで要支援者に対して介護予防のケア・プランの作成を開始しました。更新認定であっても、要支援の1及び2に認定された場合、介護予防のケア・プランを最初から作成する必要があり、すべて新件と同じように、手間と時間を要します。センター全体のケア・プラン作成件数は一番少ない7月で227件、もっとも多い10月では311件で、7月から11月までの合計は、1,364件。内訳は、センターの直営が7割、3割が介護支援事業所となっています。ある支援センターで話をお聞きしましたが、現在の体制では、とても対応できないこと、嘱託ケア・マネが欠員になっても補充がきかないこと。11月からケア・プラン作成の委託料を6,000円に増額したけれど、介護支援事業所の委託件数は期待したほど増えていないといいます。
Q 委託件数が伸びない原因はどこにあるのか、お聞きします。
今後のケア・マネジメント件数の推移予測と、その対応をお聞きします。特に、当初の嘱託ケア・マネの雇用計画は38名でしたが、計画の半数以下の18名の確保しかできていないと聞いていますが、確保に向けての方策をお聞きします。
10月28日に私たちが開催した、「高知の医療と介護」シンポジウムで、退院の受け入れ先の相談を、県・市でやるべきではないか、という会場からの質問に対し、県の畠中健康福祉部長は、介護の相談は、市町村の包括支援センター=高齢者支援センター、個々の退院の問題については、市の福祉事務所が相談窓口といわれました。しかし、現在の支援センターは、嘱託ケア・マネも職員もケア・プラン作成に追い回されている状態にあり、介護や虐待問題、介護予防などの機能が発揮できる体制にはないと思います。
Q 人的配置も含め、どうのように整備しようとしているのか、お聞きし、
第1問を終わります。
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