06.12 議会質問 はた愛
12月13日 質問テーマ ①雇用支援と公的責任 ②教育行政
日本共産党のはた愛でございます。第399回定例議会にあたり個人質問をさせていただきます。
【雇用問題支援と公的責任】
まず、はじめに、無権利な労働者として、不当解雇を身をもって体験した私は雇用問題には強い思いがあります。 そこで、労働者の大変な生活実態から行政としての雇用支援のあり方、公的責任について質問します。
高知市の就労人口は平成12年の国勢調査では15万7520人です。今年4月から6月平均の失業率は5.3%でワースト6位です。H14年からH17を比べた厚生労働省の改善状況調べでは高知県はワースト1位で、全国で一番雇用情勢が改善していません。そして、ハローワーク高知管内の有効求人倍率は0.5倍を下まわっており、ついに今年の10月には全国最下位になりました。がんばって仕事を探しても約2人に1人分の仕事もないのが現状です。できれば高知で働きたいと思っている若者がいることを見ても大きな問題です。市民も行政も誰もが安定した雇用の場が増えることを願っているところだと思います。仕事がほしい!」との声と同時に「働いても、働いてもまともな生活が送れない!助けて欲しい!」という切実な市民の声があります。
ある市内に住む29歳青年の実際の生活を紹介します。
彼は事務職員として雇われて一年目です。週40時間、月にして177時間働いて月給は保険などを引かれて手取り8万5千円です。それだけでは生活できないので新聞配達をして月2万円。合わせても、一ヶ月の収入は10万5千円しかありません。これは生活保護以下の生活水準です。彼のアパートは風呂とトイレが共同の4畳半で家賃は1万5千円です。こんなに安い家賃で住んでいても、食事さえ我慢しなければならない生活になっています。
彼はこう言っています。『日常生活のありとあらゆるものまで我慢し、食事が1日一回の日なんて多くあります。家には暖房器具はなくて、あっても電気代や灯油代などは、支払う余裕がないので、冬などは、布団をかぶって暖を取っています。また休日は、極力お金を使わないようにするため、家の中でじっとしていることが多くなっています。この生活がいつになったら終わるのか、自分にはもう見当がつきません。自分だけでなく、多くの仲間がもう数年来、こんな生活で、先の見えない恐怖に日々痛みつけられています。 食事すら満足にできない、こんな生活がありえるのでしょうか?文化性も人間性もどこにあるのでしょうか? この生活が決して特別なことでなく、遠い国の話でもなく、この日本で現実に起こっているということを知ってもらいたいと思います。』と話してくれました。 頑張ってまじめに働く若者がまともに生活を遅れないこんな社会に未来なんてありません。
働いているのに生活保護基準以下という「ワーキング・プア」といわれる労働者の問題は本当に深刻です。働いているけれども、低賃金で長時間労働、その上、サービス残業をしいられるような労働者の無権利状態が広がっているからです。低所得者層を増やしつづける格差社会は、財界や大企業が正規雇用を派遣などの非正規雇用に置き換えてきた結果です。同時に、それを後押しする形で労働法の規制を緩和してきた国の責任です。このような企業が望む今の雇用環境を許していては地域の雇用も経済も壊されてしまいます。
Q さきほど紹介した青年の声、失業者やワーキング・プアの増加、不安定な非正規労働者が増加し続け、固定化している状況に対しどんな感想、認識をおもちでしょうか。また、高知市の経済や税収面でどのような影響を与えているのか?ご所見をお聞かせください。
無権利状態の労働者やワーキング・プア状態におかれてしまう多くは非正規の労働者です。高知県の平成18年7月のしらべでは、就職が決まった労働者の55%が非正規雇用で、悪化してきています。期限付きでなく直接雇用される「正規労働者」の場合は一定、法律や判例の規制があって不当な労働をさせることが勝手にできないようになっていますが、一方で非正規労働者といわれるパートやアルバイト、派遣などの労働者は雇用契約の更新や終了を名目に労働条件を下げられたり、解雇されたりと企業利益優先のもとでひどい目にあっています。
Q 労働局で実態を聞きましたが、雇う方も、雇われる方も、労働者の権利について知らないという実態が多いと述べています。高校でアルバイトに行く子どもも多いわけですから、中学校の授業の中で、働く権利について、きちんと学ぶ時間をつくる必要があるとかんがえますが、教育長のご所見を伺います。
また、高知市も雇用・労働実態を改善するために様々な勤労者支援策を進めてきました。高知市には土地代や家賃、設備投資、雇用に対して助成をする「企業立地助成金」制度があります。平成9年から18年までの間で、29企業 交付金額 3億265万8千円の税金が企業に助成されています。H16年からH17年度までに4社、264人の雇用が生まれ、内88名が助成の対象者となりました。
新たな雇用が増えたことは大きな成果だと思います。しかし、単に雇用の数が増えるということだけでなく労働条件も守られていなければ、安定した雇用の拡大とはいえません。
事業に助成金を出しているという立場からしても企業側に対し、安定した生活送れる雇用を求めていく公的な責任があると考えます。
Q 「企業立地助成制度」での雇用に対する現在の助成基準はパートなどを含む「常用雇用」であって正規雇用ではありません。正規雇用を増やしていく必要性があると思いますが、ご所見をお聞かせください。
昨年、3月の本会議において、公契約条例の整備を求めて、高知市が発注する公共工事や事業に従事する労働者の賃金や労働条件ついても発注者としての責任が問われるものだとの質問をしました。当時の総務部長の答弁は元請と下請けなどの民間同士の契約を「高知市が拘束できるものではない」としながらも「研究してみる」と公契約条例の必要性は否定していません。
実際、誘致企業との関係で、不当な労働実態がわかった場合には、高知市は直接企業に是正指導を行ったと聞いています。しかし、これでは労働者側からの不利益に対する訴えがあったときだけにしか是正指導をすることができません。 多くの労働者は企業に対して物が言えない状況にあります。だからこそ、助成の契約において企業側の責任も規則の中で明確にし、労働条件のチェックができるようにして行くべきではないでしょうか? 現在の規則では労働条件についての提出書類は事業の完了報告の時に他の書類と一緒に雇用保険被保険者資格取得の確認通知書や賃金台帳が提出されることになっていますが、これでは社会保険などについて、把握はできません。
Q 助成する企業に対し、労働者の権利を守らせるための行政の責任をどのようにお考えでしょうか?そうした民間での契約にあたって、社会保険などを含めた労働者の実態がわかるものを企業に求めることが必要だと思います。例えば、就業規則や労働条件通知書の提出も今後の助成の認定において求めていくお考えはないか?ご所見をお聞かせください。
次ぎに、若者に対する就職支援「若者応援セミナー事業」について質問します。
高知市の若者の厳しい就職状況から、キャリアアップと無料職業紹介とカウンセリングをあわせた高知方式の「若者応援セミナー」が平成16年から定数60人でスタートしました。ハローワークでは出来ないところである、ひとりひとり違う個人の抱えている問題にも接し、アットホームにきめ細かく就職の応援をするという方針は素晴らしいとおもいます。一年目は受講生の8割の就職が決まり、その大半は正規労働者です。今もほぼ同じ実績と聞いております。就職が決まらなくても2年間はホローアップしたり、独自の企業開拓の上に就職希望の若者の良さや特徴を事前に企業に売り込んだり、就職体験などに取り組んだりとがんばっています。担当者の努力に、私も心を打たれました。
その結果、今年のセミナーの募集も初日にして定員数を超え、多くの若者から期待されています。
今年、開かれた若者の就職を考えるための意見交換会では家族の方から市に対する感謝の報告が出されました。息子がセミナーでお世話になったと言う家族の方の話を紹介します。『人と話すのが苦手な息子の就職のあっせんや離職後の対応まで親身に面倒してもらいお世話になりました。今、息子はアルバイトにいけるようになりました。人前でも話が出来るようになりました。担当者の努力がなかったら今の私達はなかったと思います。』との、涙ながらのあいさつに参加者みんなが感動をしました。
今の労働状況の中で若者は就職出来ないことを自分のせいにして、自分自身を傷つけています。社会へのあきらめ感と孤独の中で苦しんでいます。そんな若者達と真剣に向き合っている高知市の「若者応援セミナー」は本当に大事な事業だと思います。
Q そこでお伺いしますが、若者応援セミナー事業の評価と若者や家族の声に応えて事業の充実を図るために、担当職員の増員など体制整備とあわせ定数の拡大をしていくお考えはないのか、お聞かせください。
【教育行政】
次に教育行政について質問します。
いま、子供たちのいじめや自殺事件、文部科学省の「タウンミーテイング」のやらせ問題など学校に関わる様々なことが社会問題となっています。父母の不安の声や、なぜ教育基本法を変える必要があるのか?との多くの声に十分応えないまま、教育基本法改悪法案は15日に参議院で強行に採決されようとしています。政治が今、しなければならないのは教育現場におこっている様々な問題を解決するための具体策を徹底的に議論することではないでしょうか?
「慎重審議」を求める世論が広がっている中、県の大崎教育長は「教育基本法は今後も引き継ぐもの」、四万十市・宮地教育長は「改定は誠に残念な極み」、須崎市・小野教育長は「愛国心の強制は不適切」、越知町・片岡教育長は「輝きは衰えていない」など県内の教育関係者からも教育基本法の改悪に批判的な声が上がっています。
Q 教育基本法改悪法案の強行採決はするべきではないと考えますが、市長、教育長のご所見をお聞かせください。
現在の教育基本法にもとづく、教育行政をもとめる観点から、質問をします。
なぜ、いじめや自殺がこれほどまでに起きるのか?子供達や学校教育に何が起きているのか?と私も小学校生の子どもを持つ親のひとりとして心を痛め、心配しています。 最近、私たちが地域で開催した教育懇談会でも心配する声がたくさん出されました。市内で働くお母さんは『上の子供が学校へ行っている間が心配でノイローゼになりそうだ』と保育園の先生に話したそうです。また中学生の男の子を育てているお母さんは、息子に対する暴力などのいじめに心を痛めながらも、いじめる側の子供との間に入り対話を繰り返してきたそうです。初めていじめる側の生徒をたずねるとき、すごく怖かったとお母さんはいいますが、本当の事を確かめたくて、また、相手の思いも知りたくて、学校の先生と協力をして話し合いの場をもってきたそうです。生徒から帰ってきた言葉は「むしゃくしゃして、からかいたかっただけ」「学校が楽しくないから」というものでした。子供達のやり場のないストレスや学校がたのしくない、行きたくないという声を正面から受け止めなければ、ほんとの問題の解決にはならないとおもいます。
国連の子ども権利委員会は日本に対し、2000年には「高度に競争的な教育制度により、子供が発達障害にさらされている」、2004年には「前回の指摘が十分フォローアップ(追跡)されていない」「教育制度の過度に、競争的な性質が、子どもの肉体的及び精神的健康に悪影響を及ぼしている」との厳しい勧告を行いました。北海道大学の伝田健三助教授のグループの調査では、小中学生のなかで、うつ病になる危険のある「よくうつ傾向」が13%もあり、学年が上がるに連れて比率は増え、中学三年生では30%に達しています。競争教育が子供たちに過度なストレスを与えていることは明らかになっています。
Qそこでお伺いしますが、いじめ問題を教育委員会としてどのように受け止め、どう対応をしていくのか?競争に対する認識と合わせ、ご所見をお聞かせください。
また、国は現在、教育振興基本計画づくりの中に教員評価システムの導入をあげていますが、人間を育て、人格の形成を図る学校の先生たちを行政が評価し、ランクづけするシステムは管理統制を強化し、物言えぬ先生や現場をつくるものになると危惧します。
教育行政はあくまでも環境整備に努めるものですが、教員評価システムによって、いじめ問題が発生した学校はダメな学校、ダメな管理者、ダメな教師とのランク付けにつながるとすれば大問題です。
高知県は一斉に今年から、管理職に対し、育成型人事評価をはじめました。今後、全ての教員の人事評価がされますし、給与にもつながって行くかどうか重大な問題もありますが、いじめや不登校の件数が多いか少ないかとか、問題が解決した、しないということで先生や学校が評価されるべきではないと思います。
Q 教育委員会として国の教員評価システム導入に対する認識をお聞かせください。あわせて現在、行っている育成型人事評価システムの取り扱いについてお聞かせください。
また、国の「教育基本計画」を作っている中央教育審議会はいじめを「5年間で半減」と目標を法律で規定しようとしています。また、安倍首相の教育再生会議が提言をだしましたが、その中身はいじめた子供や教員に対し強権的な罰則を設けることや数値目標化して達成を求めるものです。 余計にいじめがオープンにならなくなると保護者からも心配の声が上がっています。
国の流れは、これまで市の教育委員会がいじめや不登校問題などでとりくんできたような学校以外の居場所づくりや学校や地域、家庭の連携で子どもたちが「行きたくなる学校」を目指す方針などとは、まったく反対の方向へ法律や制度が変わろうとしています。
Qこのような国のやり方や考え方に対する教育長のご所見とあわせ、高知市独自であっても、子供を主体にした取り組みを発展させることが大事だと思いますが、教育長の決意をお聞かせください。
学校現場の課題は山積していますが、その先頭でがんばってもらいたい先生が自殺や病気に追い込まれています。文部科学省の労働科学研究所の調査では健康不良を訴える教員は45、6%標準値の3倍となっています。先生には残業手当というものはありませんが、小・中学校の先生の平均残業時間は平日で2時間43分、休日では3時間13分にもおよんでいます。
私の子供も小学校でお世話になっていいますから、先生の忙しさは良くわかります。夜でも心配なことがあれば連絡してくれますし、休日であっても子供達のためにクラブ活動の指導などされています。その先生たちが疲れ果てて、子供達の変化に気づけない状況は早急に改善されなければ子供のためにもならないと思います。
だからこそ、30人学級の拡充は切実です。特に、土佐の教育改革の総括にあたっての、提言案では、中学校の少人数学級の実施が明記されました。
Q そこでお伺いしますが、教育現場のいじめ問題、学力、荒れなどの問題に向き合いがんばってもらいたい先生が疲れ果てている現状に対しての認識と中学校の30人学級実施の必要性についてあらためて教育長の決意をお聞きします。
現在、教育委員会は単独予算で教員補助員制度を設け子供たちの支援をしてきました。今年は前期24名、後期28名の配置となっています。教員補助員の先生がいるおかげでなんとか、学級運営ができる状況で、学校からも教員補助員制度に対する高い評価がだされています。基本は補助員でなく教員が増えなければなりませんが、子供をとりまく様々な問題が深刻化している中では教員補助員の配置の予算が増えることがあっても、減るということがあってはなりません。厳しい財政の中でも、安心して子育てや教育ができる高知市を守るために、制度の後退はしないという姿勢を貫いて欲しいと思います。
Q 教員補助員制度への評価と後退をさせないとの市長の決意をお聞かせください。
次に、来年4月24日に行なわれる全国いっせい学力テストに関わって質問します。6月の本会議で質問しましたが、文部科学省は国会答弁で「参加、不参加の最終的な意思決定は市町村が行う」としています。教育長は「学力テストは職務命令としない、あくまでも学校現場との共通理解を図っていくことが最も重要である。」と答えています。その後、文科省から10月23日付けで各小・中学校長宛てに、全国一斉学力テストの参加に関わる調査の依頼がありましたが、その調査項目をみて驚きました。
第1項目には、(ア)4月24日に実施する。(イ)4月24日以外の日に実施する。いずれかに○をせよというものです。これでは参加しないと言えるわけがありません。この調査の結果をもとに全校が参加することとして県へ報告が出されていますが、各学校現場での教員の理解と納得がえられる十分な議論があっての回答、参加だという認識なのでしょうか?
Q 学校現場が不参加とはいえないような参加調査のあり方は問題だとおもいますが、教育委員会の認識と、また、学校現場で十分な理解が得られる議論がどのようにされているのかどうか、把握ができているのかお聞かせください。
以上で第一問を終わります。
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