補正予算討論。きびしく指摘、要望
迫哲郎市議が、賛成討論を通じ、予算執行停止問題など、きびしく指摘、要望しました。
【市第137号平成18年度高知市一般会計補正予算議案への賛成討論】
私は、日本共産党を代表し、市第137号高知市一般会計補正予算に賛成の立場から討論を行います。今回の補正予算には、後期高齢者医療保険制度創設に向けて、国の制度改悪とはいえ、75歳以上の後期高齢者に年間8万円にもなろうかといわれる保険金を年金から天引きし、高齢者への負担を増大させることにつながる「広域連合準備委員会」への負担金なども含まれていますが、介護保険事業への繰り出し金や小規模多機能型の介護施設の整備費補助、障害者の自立のための舗装具給付費などが含まれる、市民生活に直接影響する重要な予算です。介護保険制度の改定や障害者自立支援法の制定によって、高齢者や障害者にこれまで以上の負担がのしかかる中で、市としての必要な予算を計上することは当然であり、社会的弱者への支援を今後も強めていく必要があります。
その上で、市長はじめ執行部に対して、予算審議の前提となる問題で、注文をつけておきたいと思います。
それは、岡崎市長が、13日の市議会本会議でおこなった今年度予算17億円を「執行停止」にしたいとの発言にかかわる問題です。市長は「18年度の決算の中で、地方交付税の減額、地域再生事業債の充当ができない事業があり9億円、満期一括償還予定の地方債分の減債基金に5億円、これらで約17億円の収支不足が見込まれ、早ければ12月末をめどに予算の執行停止を行う準備をしていきたい」と述べました。この答弁は、本来、収支不足が予測された時点で、少なくとも今議会の開会日の市長提案説明の中で表明されなければならない性格のものでしたし、今議会に提案されている補正予算については、執行停止となる事業は含まれていないことも、あわせて表明されなければ、提案者の発言としては矛盾するものとならざるを得ません。「執行停止」答弁のあり方が、市長が先ほど陳謝したとおり議会のルールを踏み外したものであったことは明らかです。そのことを前提に、私が注文を付けたいというのは、この「執行停止」答弁の内容が、「後出し」にならず、もし提案説明の中でなされていれば、今議会の議論が、高知市財政の現状にさらにかみこみ、新たな角度からの議員提案もなされたであろうということです。議論の前提が「後出し」にされたことは、言論の場である議会の議論までも歪めかねない性質の問題であったことです。以下、日本共産党として「執行停止」答弁と総務委員会への執行部の報告もふまえて、いくつかの点を指摘しておきます。
まず、16年度から今年度末までの「新財政健全化計画」からの逸脱、または、失敗についての責任を自覚することです。市長は、今議会の何人かの議員の個人質問への答弁でも「新財政健全化計画の3年間で182億円の収支不足解消の目標を達成した」と過去形で答弁しています。しかし、現に17億円の収支不足の大穴が明らかになり、その穴を埋める具体的な方策も示されていないままでは、目標を達成したといくら繰り返してもむなしく響きます。
そこで、具体的な「収支不足」の要因についてですが、まず、今回の「収支不足」の最大の要因である「地域再生事業債」についてです。「新財政健全化計画」では、当初18億円を3年で6億円づつ活用する計画であったものが、今年度は、単年度で17億円以上となんと3倍にも膨張しています。そもそも、地域再生事業債は、平成16年度の地方交付税の2割・約2.9兆円の唐突な大幅削減の際、緊急の資金手当て的な地方債として導入されたもので、日本共産党は、16年6月議会で「(地域再生事業債が)来年度も存続する制度であるのか判らないものを(健全化)計画に入れるべきではなく、無責任のそしりをまぬがれない」と指摘し「活用は16年度限りとするよう」求めました。重ねて17年3月議会では「単独事業への100%充当は、将来の負担均衡や健全化の目的に対して、安易な意識やブレをうむ危惧かある」と、独自財源を1円も使わずに100%借金で事業をおこなうことは「ただほど高いものはない」の言葉どおり危険であることも指摘してきました。こうした指摘に耳を傾けず、通常の起債よりも交付税措置があり有利などと事実を歪める強弁をかさね暴走したことが、結果として重大な収支不足を生んだものです。今年、地域再生事業債を充当した事業を改めて見てみると、総事業費が3倍になっているだけでなく、通常の地方債を充当できない単独事業が相当の割合で入っていて、これを100%の借金で執行している。私どもが危惧した「安易さ」「健全化への意識のブレ」を指摘しないわけにはいかない状況があります。
また、公債費の平準化による借金の先延ばしで、危機を回避したという安易な判断から、結果として、「新健全化計画」の中で、本当に必要な事業に歳出を絞り込むことに失敗したことも今後の教訓とすべきです。
また、国の地方債計画などの動向への注意不足などから、判断が後手後手になっていた点も指摘しておかなければなりません。高知市は、現在、地方債発行許可を得るための「公債費負担適正化」計画を検討中です。地方債発行に国の許可が必要な団体として「早期是正」を求められていることからしても、国の動向、情報収集に努めなければならない立場にあるはずです。今回、市長が「収支不足」の原因としている「満期一括償還地方債の償還財源」を減債基金に積み立てるという新ルールについては、総務省が5月1日の連絡文書で明確に示しており、ホームページでも見ることができます。今議会にならないとわからなかったものではないことは明らかです。現在、市の実質公債費比率が3か年の平均で19.5%、標準財政規模が約740億円ですから、5億2000万円の減債基金が積めなければ、比率が0.68%引きあがり20%を超え危険水域に突入する。これは、決算見込みを見るまでもなく、当初予算の数字から判ることです。こうした判断の遅れが、予算に大穴をあけたことを反省し、これを繰り返さない対応策を検討すべきです。
今回の予算執行停止は、額の多さもそうですが、15年の執行停止とは性格が違います。17億円の収支不足のうち、その大半である地域再生事業債の9億円と減債基金の5億円、この計14億円は、上述のような政策判断の誤りまたは遅れによって引き起こされものです。しかも、起債ではなく純粋に一般財源を入れなければ解決できない大穴であることも疑いのない事実です。こうした判断の誤りを真摯に反省し、今後の具体的な執行停止策については、市民生活に直接的な影響を出さないよう、また、議会に対しても随時状況を示しながら適切に対応することを強く求めるものです。
さらに、国の制度が、基本的には地方財政の透明性を高める方向で、地方にはより厳しい方向に、猫の目のように変わることも一定想定し、たとえば、現在は年に1回の決算を行っていますが、年に数回の予算執行状況の全局面を見ることを制度化し、情報収集についても県とも協議し有効なシステムを検討すべきだということを合わせて指摘しておきます。
以上、市第137号議案に賛成するにあたり、その議論の前提となる問題点の指摘と要望をのべて、討論を終わります。
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