07.6 議会質問 林てる子
《6月25日/テーマ 妊婦健診、靖国DVD、同和問題、アジロ山、ペット霊園》
日本共産党の林てる子です。四年ぶりに市議会に戻って参りました。この四年間、沢山の市民とお会いし、お話を伺ってきました。構造改革政治の元で、仕事がないという業者、就職ができない若者、国保料や介護保険料が高くて生活が苦しいという高齢者のみなさん、そして、この6月には市民税の納付書を見て目が点になった、5倍になった人、12倍になった、国保料とあわせるととても払っていけない、「年よりは死ねということかね」という人など、くらし破壊がすすんでいます。
市民の命とくらしを守る議員としての役割りをしっかり果そうと決意を新たにしているところです。
【女性議員、新議会への期待】
冒頭に新しい市議会は新人14人、女性議員9人となりました。これまで、12人がフレッシュで闊達な質問を展開してきました。
◆市長は女性議員が21%になった市議会にどのような期待を持たれたでしょうか。
新人が33%になったことに対してはどうでしょうか。お伺いします。
【妊婦健診】
次に少子化対策として、妊婦健康審査の公費負担についてお尋ねします。
少子化対策は、高知市においても重要な施策の柱となっています。出産にかかる負担の軽減を求める国民の声により、厚生労働省は妊婦健康審査について、全額を国の負担でまかなう公費負担による健康審査回数を、現在の原則2回から5回以上に拡大することを方針とし、平成19年度中の実施を目指し、各市町村に通知しました。
その通知では、以下のように述べています。「近年、高齢やストレス等をかかえる妊婦が増加傾向にあるとともに、就業等の理由により健康審査を受診しない妊婦もみられるところであり、母体や胎児の健康確保を図るうえで、妊婦健康審査の重要性、必要性が一層高まっているところである。また、少子化対策の一環として、妊娠中の健診費用負担軽減が求められており、妊娠・出産にかかる経済的不安を軽減し、少子化の解消の一助に資するとともに、積極的な妊婦健康審査の受診をはかるため、妊婦健康審査について、自治体における公費負担の充実を図る必要性が指摘されているところである。このため、平成19年度地方財政措置で、妊婦健康審査も含めた少子化対策について、総額において拡充の措置がなされ、各市町村において、妊婦健康審査にかかる公費負担について相当回数の増が可能になる。」と。
妊婦健康審査では、胎児の超音波検査や妊婦の内診、血液検査などを定期的に行っており、その費用は1回約5000円を超え、血液検査を伴うと1万~1万5千円程度かかります。このうち、高知市では、1回目健診に6,480円、2回目以降の健診に対しては4140円(HBs(肝炎)抗原検査を実施した場合は6770円、35歳以上の妊婦対象の超音波検査を実施した場合は9440円)の公費負担を行っています。厚労省によると、出産までの受診回数は平均14回にのぼり、公費負担となる2回分を除いても、自己負担は約12万円なっており、非正規雇用など収入が安定しない若い世代にとって大きな負担となっています。
厚生労働省は、健康で安全なお産をするためには、「5回以上の健診が必要」としていますが、平均検診数が示すように、無料健診の5回は、実態から見て少なすぎます。
高知市は、「妊娠を喜び自信をもって出産できるまち」をめざしており、第3子以降の妊婦健診の全額無料化や無料健診の回数増などを進めるのが当然です。
県内では、須崎市、南国市、香南市、四万十市、いの町、佐川町、檮原町の8市町で07年4月の母子手帳交付者より5回になったとのことです。全国的にもこの文書が出された後に公費負担の運動が進み、東京都台東区は14回まで無料になり、北海道和寒(わっさむ)町は全部公費負担、秋田市は7回、福島市は13回、愛知県江南市は12回、東海市は7回、知多市は4回、信楽町10回と公費負担が増えています。
市内のお母さんたちに話を聞きました。3人のお子さんを出産した方は、健診の領収書の束を見せて、「1回7千円以上かかかり、受診票を出しても無料の時はなかった、県外から転居してきた友達は、高知は出産、子育てにお金がかかると言っていた」など話してくれました。今妊娠中の方も「最初の受診票を出したときは4千円足が出た。次のときもう一枚使います。高齢出産なので心配です」と話してくれました。決められた項目があり、それを超過した分は自己負担となっているからです。
◆以下の項目について健康福祉部長にお尋ねします。
高知市では毎年約3000人の子どもが生まれているとのことですが、どのくらいの人が妊婦健診を受診しているのでしょうか。また妊婦健診の重要性について、どのようにお考えでしょうか。最低限必要といわれる5回の妊婦健康審査を公費負担でという厚生労働省の通知を高知市はどう受け止め、どう実施していくつもりなのかおたずねします。
【靖国DVD】
次に、侵略戦争を正当化する青年会議所作成の教材DVDアニメについて質問します。日本の侵略戦争を「自衛、アジア解放のための戦争」だったと肯定・美化するアニメーションDVDを教材にした教育事業が、文部科学省の研究委託事業「新教育システム開発プログラム」に採用されたとして、全国で実施されようとしています。問題の教材は、日本青年会議所が作製した「誇り」と題するDVDアニメで、全国の学校でこのDVDを使った教育事業を行おうとしており、すでに2月から6月にかけ、全国の学校など93ヵ所で実施または予定されています。その後、全国各地で、このDVDを公共の場や教育の場で使わないでという申し入れなどが行われています。6月20日には、は、「新教育システムについて開発プログラム」について説明し、文部科学省が青年会議所に委託した事業の中に『誇り』DVDを使って教える事業は含まれない」と回答しました。青年会議所が文部科学省からお墨付きを得たという根拠は崩れたわけですが、こんな内容の教材が、公共の場、教育行事や学校で普及されないよう、気を配っていかなければならないと考えます。
このDVDアニメのあらすじは、女子高校生の「こころ」が過去からきた青年「雄太」と出会い、戦争の歴史について聞く形で進行します。二人は靖国神社へもでかけます。雄太が語る戦争の歴史について「愛する自分の国を守りたい、アジアの人々を白人から解放したい-日本の戦争にはいつも、その気持ちが根底にあったような気がする。東京裁判は勝った国が負けた国を一方的に裁く復讐裁判だった。GHQは戦争で残虐行為を働いた凶悪な日本兵というイメージを日本国民に植え付け、洗脳していった」と語ります。わたしもこのDVDを見ました。戦後日本の国際社会復帰の原点と戦争の痛苦から生まれた日本国憲法の精神を否定するものです。わたしは歴史が60年以上前に逆戻りしたかのように背筋が寒くなりました。過去の戦争への反省とお詫びを述べた1995年の「村山談話」にも反するものだと思います。以下の2点について教育長におたずねします。
日本青年会議所はこのDVDを社会教育や教育現場にひろく持ち込もうとしています。すでに今年2月27日に島根県出雲市の中学校2年生の授業で、青年会議所のたっての要望で上映したが、校長は、「内容は一面的なところがあって違和感をもった、アジアに与えた被害が扱われていなかった。アニメを授業でそのまま流したことについて深く反省している」と言っています。
◆いかなる名目であっても公共の場で使用させないことを各学校、教育関連施設に徹底すべきと考えますが、答弁を求めます。同趣旨の講演会などについて、市として後援、協賛、協力などを行うべきでないと考えますが、ご所見を伺います。
【同和問題】
つぎに、同和問題についていくつか質問します。
1969年から30年余に及んだ、国の同和対策特別措置法が効力を失って5年になります。高知市は、失効後も引き続き旧同和地区住民を特別扱いする同和行政を進めてきましたが、今年の4月に法失効5年目の見直しが行われました。その結果は、市民会館、児童館の運営、随意契約による仕事保障、同和向け住宅での配慮という4本柱の同和対策をすべて残しました。公平公正な市政を求める市民の目には、不公平な市政と映っていると思いますが、その実態はあまり一般に明らかにされていません。
これまでも議会で指摘されてきたように、情報は市民会館11館が活動対象にしている約8000戸(居住人口約2万人)の範囲内しか「館だより」という広報が配布されないからです。破綻寸前の財政状況の中、市民サービスを次々とカットしている高知市の現状で、32万市民のうち特定地域の線引きの中の2万人だけを対象に旧態然とした「同和行政」を今も漫然と続けている実態を広く市民が知ることになれば、強い批判が出ることは必至ではないでしょうか。
しかもその見直しのなかで、同和・人権対策課が発足しました。以前同和対策課を残したのも、県下で赤岡町と高知市だけでしたが、同和・人権対策課、と同和を冠した名称にしたのは、西日本における中核市17市のなかでは高知市だけで、他の中核市では人権を冠した名称になっています。同和対策課と人権啓発課の統合で課長と補佐の数はへりましたが、事業については大きな見直しはしないどころか、児童館など部分的には増強されている分野まであります。
さらに、高知市の人権問題の基本認識は、人権課題を、同和、女性、子ども、高齢者、障害者、外国人、感染症患者等、インターネットによるもの、その他の人権(アイヌ、犯罪者等)の9つに類型化し、同和もその一分野というのが公式見解です。9つに矮小化するのも問題ですが、「同和だけが特別でない、人権に上下はない」といわざるを得ません。それにもかかわらず、なぜ同和を冠するのでしょうか。市民の一部に残る偏見は、部落解放同盟による糾弾や、行政による同和を理由にした逆差別により生み出されているものが大半で、同和行政を完全に終結することこそが解決の早道です。他の人権より同和を上に置き、優先するかのような同和・人権啓発課という名称は、問題解決へのブレーキにしかならないのではないでしょうか。これらの同和問題について、市長と市民生活部長に以下の質問をします。
市民会館11館には23人の正職員が配置されており、しかも前述したように、8000世帯、2万人を対象に相談活動、成人学級、人権学習会、地域まつり、交流バス旅行などを行っています。つい比較したくなるのが、ふれあいセンターです。中学校区の全市民を視野に、民生委員児童委員の会や社会福祉協議会、町内会、交通安全、高知市こども会連合会参加の子ども会活動、ジュニア、シニアリーダーの会、図書館活動、図書館友の会活動などと多彩な市民講座、まちづくりの会などの活動センターとなっており、センター長も職員も非常勤です。
◆ これらのバランスをとることが公平公正な市政にとっても大事なことだと思います。市長のご所見をうかがいます。
次に子ども会と児童館について伺います。今度の見直しで、解放子ども会と言われていたこども会を、教育委員会に移管しました。児童館は「高知市児童館条例」で児童に健全な遊びを与えてその健康を増進し、情操をゆたかにすることを目的として、児童福祉法に基づき、設置する」とあり、市内に9館と「教育集会所」を使った2館の11館があります。この児童館は、市民会館とセットで旧同和地区だけに存在しており、学習室の他に図書室、バドミントンができる屋内運動場が備えられ、小中高生が利用できるとされています。この子ども会は児童館という専用の建物と専従指導員を持ち、活動にかかる経費は公費で支払われています。公費の使われ方は、18年度でみますと、合同子ども会ほたるウォッチング28500円、子ども会夏季キャンプ105000円、お菓子代6300円等です。高知市子ども会連合会の方は、保護者負担以外には収入がないので、夏の行事などはとても苦労しているところです。児童館のある地域の小学生は下校時に館に寄り、親が帰宅するまで放課後の時間を過ごす、無料学童保育的利用がされています。同じ教育委員会所管の放課後児童クラブ利用者は狭い建物に60人がすしづめ状態で、待機児童も解消されていません。しかも月7300円の利用料がかかります。あまりにも大きい
◆これらの格差は是正すべきだと思いますが、教育長のご所見をおききします。2月の見直しでは、子ども会を教育委員会移管するのは、人権感覚を育てるためと位置付けていましたが、一部の子どもを特別扱いにし、このような格差があれば、決して人権感覚が育たないと考えます。市長、教育長のご所見をお聞きします。
同和保育については、大幅に見直しが行われ、○同和保育基本方針の廃止、○保育士の同和加配を廃止し、対象を課題を抱える保育園全体へと拡大、○保育料の同和減免の廃止などを行ってきたことは歓迎すべきことです。しかし旧同和保育所に入所を希望する親が、同和関係者で、かつ現在旧同和地区内に居住していれば、今でも優先的に入所できるよう特別加算があるとききます。
◆親の状況や子どもの実態と関係なく、住んでいる地域によって入所が優先されるというのは、まさに公平性を欠く事だと思います。市長と市民生活部長のご所見をおうかがいします。
次に促進学級についておたずねします。
促進学級とは、数十年前、当時劣悪な状態に置かれていた被差別部落の児童生徒の学力を保障するために始まった被差別部落に教員が出向き補習を行う学級のことです。「促進学級」は、11館すべてで、中間・期末のテスト前のそれぞれ3日間、校区の教員が「児童館」に出向いて行われてきました。毎学期毎に期末・中間テストには旧同和地区を抱える7中学校から30人、年間を通してのべ150人もの教員が動員されているのです。
◆実態はどうなっているのでしょうか。おたずねします。学力に課題がある生徒を底上げするのは、学校に課せられた使命であり、特定の一部地域だけでやってすむ問題ではありません。どの地域であれ、公平に勉強会を実施する、それができないのであれば、全生徒が通っている学校を拠点にして、現在市内の10中学校が実施している市単独事業の放課後学習チューター制度などに、促進学級に投入されているマンパワーと市費を投入して統合発展させていくなどの方向性を示していくべきと考えますが、教育長のご所見をお聞きします。
【アジロ山の環境保護】
つぎに、アジロ山の自然と環境問題について質問します。
高知市総合計画のなかにも、環境と共生する安全で快適な都市づくりをかかげています。
高知市西部の人々にとって癒しの森、散歩道、緑のシャワーだった大谷団地南の通称アジロ山は、烏帽子山から西に連なり、南は春野町に続き、昔は山之内家の猟場だった所や、かつて外語学校があったところあり、乗馬クラブなどもあります。自然が豊かだからこの地に家を建てたという方、水がきれいだから引っ越してきた方もいます。
近年、いたるところに不法に投棄された引越しゴミらしいものが散乱し、ミニ開発で山は削られ,産廃施設へのダンプカーがひっきりなしに通行し、時には悪臭もいっしょに通過するなど、ゆったりと散歩できる環境が奪われています。また、大谷南団地の奥の砂防ダムの上部には、土砂が積み上げられ、団地住民は、地震や大雨になったら団地に土砂がなだれ込む危険性を感じながら生活しています。ミニ開発で削り取られた山が痛々しい姿を団地にさらし、雨のときには、山道が水路となって削った土砂が団地の水路を埋めます。
少年時代に沢の清水で遊び、森でクワガタをとって遊んだという市民が中心となり、平成17年から有志で話あいを重ねて、このほど「アジロ山の自然と環境を守る会」が、大谷団地の5つの町内会の合意を得ながら結成されました。結成総会では、参加者から、アジロ山の環境悪化や、災害時の危険について語られ、次の世代に美しい自然を取り戻し、引き継いでいきたい思いが語られました。この会には、自然観察指導員をされている方や生物、地質の専門家、土木関係者など住民の方々も参加され、山に人が入れば、不法投棄も減ってくるのではないか、子どもたちといっしょにバーベキューやハイキングなど自然観察なども楽しみながら、運動をすすめていこうと話し合っています。
このようなアジロ山について以下の点を市長および環境部長、都市整備部長に質問します。
◆不法投棄や開発などで貴重な自然環境悪化が進んでいる高知市域周辺部のこのような状況を市長はどう認識されていますか。また、悪化を止めるにはどうしたらいいとお考えかお聞かせください。
◆アジロ山の県有地部分を市民のいこいの場、遊歩道に整備することを県に働きかけていただきたいのですが、市長のご所見をうかがいます。
不法投棄をなくすために、市民に自然環境の保護を訴える情報を伝えたり、市民の協力を得るなどパトロールをもっと強化すべきと思いますが、環境部長のご所見をうかがいます。
地域住民のみなさんが、自然環境を守るために立ち上がって、「アジロ山の自然と環境を守る会」を結成しました。このような環境を守る住民運動について市長はどのように評価されるのかお聞きします。
【ペット霊園】
最後にペット霊園条例制定についておたずねします。
昨年9月に出された「ペット霊園条例を求める陳情」が、先の3月市議会で採択されています。今、私たちの人間社会の中でもペットはくらしにうるおいと癒しをもたらしてくれ、高齢者や障害者の介護の面でも、療養、介護の効果も認められているところです。また空前のペットブームもあり、家族として暮らしたペットを見送ることも多くなっています。こんななかで、建設・土木業界の不振もあいまって、各地にペット霊園が開発されています。ところが、ペット霊園開発に関する条例や法が未整備状態にあり、開発時に近隣の住民とのトラブルも各地で発生し、市内北部でも近隣とのトラブルで開発を見直したというニュースも目にしました。こうした中で、ペット霊園の開発、運営にルールをつくる自治体が増えてきました。現在、20の市町で条例がつくられ、ペット霊園の目的、設置許可基準、完了届け、継承・廃止の届け出、維持管理、許可の取り消し、変更の許可、近隣住民との協議、市長との協議、改善命令等々を条例にうたっています。
昨年、陳情を出された住民の方のお話を聞きました。昨年9月にオープンしたペット専用斎場、霊園は50m、150mしか離れていない近隣の住民になんら説明もなく、不安ななかで、ペット霊園が完成したものです。オープン後も施設を見せるでもなく、霊園利用者がその方の家の前を車で通行するのです。
環境部長におたずねします。
◆高知市の周辺部にペット霊園の開発の動向を把握していますか。おたずねします。
◆陳情が採択されたわけですが、高知市のとりくみをおたずねします。住民とのトラブルをなくすルールづくりをしていくべきと思いますが、環境部長のご所見をおたずねします。
以上をおたずねして第1問といたします。
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