おはようございます。日本共産党の下本文雄です。個人質問3日目ですが、第一番目で質問できることが、事のほか、うれしく思っておりますので、どうか明快なご答弁をお願いします。
まず市長の政治姿勢から伺います。今国会で医療改悪法が自民、公明の数の力で強行採決されました。米軍支援には莫大な予算をつぎ込み、政党助成金の分け取りなど、税金の無駄遣いは放置し、一方で国民には容赦のない負担を押し付ける悪法であります。改悪反対署名に願いを託した国民は、約2千万人にも上ります。反対運動に加わった団体のみなさんや、反対された数多くの市民のみなさん。そうした方々のくやしさと怒りに思いをはせながら、冷酷な小泉政権に対し、この議場から強く抗議を表明をするものです。そして高齢化の進行と病院や介護施設の集中する高知市への影響は甚大なものであることは明らかです。この点については市長説明でも触れていますが、ここでは二つの問題について、お聞きいたします。
Qとりわけ高齢者の負担が大きくなり、深刻な事態も予想されますが、市長はどのような受け止めをされているのか。また対応策の検討をなさるのか御所見をお伺いします。
Qまた、保険のきかない診療と保険のきく診療を併用する「混合診療」は公的保険の大原則を崩すことになりますが市長の思いと、具体化を許さない声を自治体から、高知市からも上げるべきと考えますが御所見をお聞きします。
次に昨年の国政選挙で、郵政の民営化が大きな問題になったことは記憶に新しい所ですが、この4月、日本郵政公社が再編案を発表しました。県内71の集配局を45局にするというものであります。その中には合併した、土佐山、鏡が無集配化となることが含まれています。4月25日には四国支社が本市を訪れこれらの事を説明したとのことであります。
われわれも先日、四国支社に無集配化について質問し、文書回答をいただきました。
集配、集金業務の廃止のほか、時間外の窓口廃止などサービスの低下が前提であることは明らかです。何よりも心配なことは、高齢化がすすむ地域で、配達員の声かけなどは、安心して住み続ける大きな役割を担っていますが、こうした人間関係が崩れる可能性が大きいことです。地域の過疎化にいっそう拍車をかけるものとの批判が出ているところですが、説明を受けた時点での市長の対応についての報道を見ると、土佐山、鏡の無集配化について、「やむをえない」との考えを前提としたものでありました。土佐山、鏡について「くらしを守ることが文化を守り、自然を守り、ひいては地域を守ることになる」と述べている市長の考えと大きな矛盾があると考えます。
Q今回の無集配化は、郵便局員への労働強化にもつながり、同時に中山間をはじめ、市民サービスへの影響は大きいと考えますが、市長はこの点についてどのように認識しているのかお聞きします。
次に、私たちの会派がこの間配布している市民アンケートについて、その中間集約の状況と内容を紹介しながら質問をさせていただきます。高知市内全域を対象に各個別に配布し、封書にて返信をしていただくことになっています。とりわけ、今回のアンケートでは、その返信数が大変多いのもひとつの特徴であります。前回、4年前の2002年に実施したときは500通程度の返信でしたが、今回は、最終的に4000程度の返信となる見通しです。行政施策の参考になればということで、すでに市長には2000人分の集約分をお渡ししてあります。そして何よりも驚くことは「困っている問題や要望があれば」という自由に書き込める欄に、約半数の方が自らの考えで、くらしの状況や思いを書き込んでいることであります。
最近の暮し向きはどうかとの設問では、68%が「苦しくなった」と答え、184人が具体的な家計の状況、健康や病気の状況を書き、政治への批判を書いています。多くの人が収入や年金が減る一方、税金や保健などの負担が引き上げられ、「生活できない」というもの。「病院から追い出される」という不安。「働く場所がない」「消費税など増税反対」「弱者の切り捨て、格差拡大に反対」といった記述が数多くありました。
障害者自立支援法に対する告発では「自立支援法により生活が一段と苦しくなりました。名前は自立支援なのに、支援することもなく、反対に障害者が国を支援しているのではないでしょうか。無駄を無くし、本当の弱者を救済してほしい」といった弱者を切り捨てる政治への批判が多数寄せられたことが大きな特徴です。これまでの集約を踏まえ私は市民の中での低所得層の広がりと社会保障の基盤が大きく崩れてきつつあることを改めて実感するところです。この間、市民におこなったアンケートは私たちの実施したものだけでなく、春野町との合併アンケートもありました。そのほかにもさまざまな情報が集中する市長部局の状況があると思います。
Q市政の舵を握ることになって2年半が経ちますが、市長は、今の時点で市民のくらしの実態に対してどのような感想をお持ちかお伺いします。
Qまた、私たちは今回のアンケート調査で、いわゆる生活弱者への一層の冷たさを感じざるを得ませんが、市長は現状を踏まえ、優先的に、求められている施策をどのように感じておられるのか、あわせてお伺いをしておきます。
【国保について】
続いて健康福祉行政から国保について質問します。先のアンケート調査とも関連しますが、いま、病気になって患者になれる、なれない、の格差と同時に、なれない層が広がっております。毎日新聞が昨年末から開始した連載ルポ「縦並び社会、第1部格差の現場から」、連載5回目、今年1月4日付で「患者になれない」とのタイトルをつけ、次のように指摘しています。資格証明書で、意識を失うまで我慢していた大腸がんをもつ、63歳の男性。また、黒ずんだ腫瘍が大きくなって、乳房が三つに見えるまでになった乳がんの無保険の女性53歳。これは保険証のとり上げが生んだ悲劇を福岡市で取材したものです。一方、「会員制リゾート会社の子会社がつくった医療施設」にPET、(陽電子放射、断層装置)といいますが、この最新の医療設備で、がんの検診を売り物にしていますが、ここで初期の肺がんを見つけ、手術を終え、週末を別荘で過ごす夫婦を紹介しています。しかし、ここで検診を受けるには、会員権が必要です。会員権は最高で700万円、この夫婦は、約500万円のコースを2口持った方だったと述べております。
本来、良質な医療、最適な医療は、誰もが等しく公的保険の枠組みで受けられるべきですし、日本の誇るべき「国民皆保険制度」はそれをめざしてきたはずです。しかし現実は、これが形骸化され、お金のあるなしによって、命と健康が差別される、医療保険制度への変質がすすんでいます。特に国保では深刻な問題を引き起こしています。「国保停止で11人死亡」昨年12月29日付けの地元紙を含め地方紙の多くが取り上げています。しかしこれはまさに氷山の一角だと思います。
先日、高知市内のある医療機関に保険証を持たずに作業着姿で来院された方がいます。急性白血病の疑いがあり、対応可能な病院へ行くよう紹介をしたそうです。ところが、保険証がないために病院に行かず、何日かたって、見かねた友人が、救急病院へ担ぎ込んだそうです。しかし、すでに手遅れで、入院して数日後に亡くなったそうであります。保険証は、国保であったことは関わった医療機関の職員の話から間違いありません。
このように、高知市の国保も今深刻な事態に直面していることを認識しなければなりません。この5年間滞納者の増加は著しく、とりわけ、短期保険証は発行数が大幅に伸びています。3期分の滞納をこえればいったん警告を通知し、後払えなければ短期保険証を窓口まで受け取りに行かなければなりません。窓口交付ですから、払えなければ、結局、足を運ぶことができないため、本人に渡らない、留め置きとなる保険証ができます。4月1日時点で6400件あまりに上ります。国保世帯の1割が、手元に保険証がない状態ということであり、医療機関へ行っても医療費を全額払うことを約束しなければ受け付けてもらえません。そうした点では医療機関側も、資格証明書と同様の対応にならざるを得ません。お聞きしますが
Q「病気になっても患者になれない」無保険、手遅れといった実態があることをどのように受け止めているかお伺いします
これまでの答弁によりますと、短期保険証の発行は、保険料収納率の向上対策だとしていますが、滞納は増加し、収納率は逆に、低下傾向に歯止めはかかっていません。その解消策として、短期保険証を発行するということは、低所得者を、ますます窮地に追いやってしまいます。滞納者を一律に扱い、市役所に来させ相談に応じさせるといった格好では弱者にとって足を運ぶことは、大変つらいものになります。
ご主人をなくされて、自分の年金だけでは生活できないと、身辺整理をしておられたあるご夫人が、たまたま市役所職員に相談に乗ってもらったお陰で、生活保護の制度を知り、病院へも入院でき、生活のたて直しを始めた例も聞いております。生保に限らずさまざまな制度活用について行政マンの知恵がもとめられています。
短期保険証の、機械的な発行はしてはならないと考えます。国保は国の責任についても強く要望していくことも必要です。しかし滞納者に対してはもっと市民の生活実態に迫ることが必要ではないでしょうか。
Q滞納者をまずは担当課が、ことによっては他の部署の応援を得てでも、滞納世帯を訪ね制度紹介も含め、納付相談に応じるなどの努力が必要ではないのでしょうか。見解を伺います。
次に、先進的な保健医療施策に学ぶ姿勢の問題であります。高い保険料となる要因の一つとして医療給付費があります。戦後の日本では、脳卒中を減らす取り組みが各地で取り組まれた経過があります。長寿の県でもありながら、医療費の給付が少ない県として関心があった長野県に、数年前、医療の状況を視察に行ったことがあります。そのときに脳卒中での死亡が全国1位の状況を、何とかしなければならないとして徹底した予防運動に取り組んだことが、今日の成果であることを知りました。
先月、神奈川県の保険医協会理事長で、健康づくりに成功した市町村の研究に取り組んできた医師でもある、平尾紘一さんにお会いしてきました。話によれば、こうした優れた経験は全国にたくさんあり、高知県でも、旧野市町は優れた保険予防活動を行い、脳卒中を半減させた経過があることをお聞きしました。早速わたくしどもも旧野市町の健康づくりにかかわった職員の方にお会いしてきました。説明では保健補導員を育成し、2年任期で10回の健康教育をし、任務を補導員の家族と両隣の人に健康診断を勧めることにしています。報酬は年に2万円となっていました。そして卒業後はOB会を作り、健康診断のお手伝いをしていただくこと。そして健康を守る会を作り、消毒薬の割り当て、河川や溝の清掃、不燃物の回収など健康に関することをいろいろやっています。その結果、1969年から13年間で脳卒中は半減し、医療費も県平均の8割まで減少させています。小さい自治体だからできるということでなく、大阪の八尾市でも成人病センターと医師会、保健所が一体となって住民参加型で、健康診断の受診率を常に8割から9割を維持し脳卒中を半減させています。注目するのは糖尿病患者も医師会と保健所がすべて登録し、6ヶ月に1回、診療の継続と合併症の検査の有無を調査していることです。検査を受けていなければ医療機関にその旨通知し、治療中断患者には3回まで訪問して復帰を促しています。これで治療中断患者の75%が復帰しているとのことであります。日本糖尿病学会の、学術評議員でもある平尾医師に、成人病の代表疾患の糖尿病についても詳しくうかがうこともできました。
糖尿病は失明を防げば、人工透析も大きく防げると確信を持って語ります。そのためには、眼底検査で「前増殖型網膜症」を早く発見することが必要だと述べます。私もここに行政が力を注げば、医療費の給付減少につながると思います。高知市も成人病のなかで糖尿病が大きな比率を占めており、八尾市の経験にも学ぶことが大事ではないでしょうか。福岡県の久山町も「高血圧を追放する会」をつくり1975年から7年間で脳卒中を半減、さらに糖尿病の透析患者が20%を占めていたものを22年間で透析患者ゼロにしているとのことであります。
平成12年に、健康日本21が打ち出されます。健康は自己責任で個人の努力として一日1600Calにおさえ、毎日1万歩あるく、加えて節酒と禁煙をすること。この目標をモデルとし個別指導にあたります。身体状況の改善効果は上ります。しかし、こうしたこうした健康日本21の計画目標を達成できるのは限られた人にならざるを得ません。現役世代はとても難しい。したがって数値目標は改善されません。そのため内臓脂肪型肥満になり、さまざまな病気が引き起こされやすくなります。それをメタボリックシンドロームといい、今話題になっているのであります。今度は目先を変えて、この数値を下げるといっていますがどうでしょう。私はこれまで健康づくりに成功した自治体の歴史、経験に学ぶことなしに達成はやはり不可能だと思います。高知市も介護予防で注目すべき取り組みとして「生き生き100歳体操」が大きく広がっています。この経験は貴重だと思います。この経験も生かしながら、健診の受診率を大幅にひき上げることを念頭におき、成人病予防のため、こうした住民参加型の運動を広げる医療保険施策を本格的に打ち出すことが必要だと考えます。
そこでお伺いしますが
Q高知市の40歳以上の基本健康診査は20%にも達していないとのことですが、ここ数年の受診率はどのようなものかお聞きします。またあわせて健診の受診率が低い現状をどのように考えているのかその見解をお伺いします。
Qさらに個別健診(基本健診・介護予防健診)の周知の仕方ですが、申し込み葉書つき織り込みチラシを、今年度から高知新聞に入れるとお聞きしています。これでは半数そこそこの世帯しか受け取ることができず、全市民の健康をまじめに考えているのかが問われます。あかるいまち等で、全世帯に配布すべきと考えますが見解を伺います。
<保険予防活動の位置づけ>
今議会には、総合あんしんセンターの議案が示されています。平成14年には住民代表も含めた検討部会で「あんしんセンターに望む機能」として1.保健所機能、2.統合的センター機能、3.医療機能の充実という3つの柱を具体化していますが、この時点ではまだ複合施設としての総合あんしんセンターという想定にはなってない段階です。お聞きしますが
Q果たすべき役割、機能を考える間口は大きく広がったと思います。医師会、歯科医師会に対しては、他の団体と違って市のほうから区分所有を依頼したとお聞きしましたが、どのような役割、機能を想定してのことか、その考えをお聞きします。
Qまた、市民の命と健康を支えるための、保健、福祉との連携を強化することも触れていますが「健康日本21」との関連、位置付けについてどのように考えておられるのかお伺いします。
Q制度も大きく変わろうとしていますが、遅れている保健予防活動の推進策は、検討する大きな節目の時期であります。積極的な検討が求められていると思いますが、今後の施策について、決意も含めてお聞かせください。また、ひとつ提案したいのは、医師会等とも協力しあいながら高血圧、糖尿病等、成人病疾患についての管理システムが検討できないかどうか、ご所見をお伺いします。
総合あんしんセンターについて続いてお聞きしますが
<財政的見通し>
もともと30億円の計画から、岡崎市政になった時点できびしい財政状況のもと、見直しがなされ15億円の計画に変更した経過があります。今回、複合施設として50億円の計画で提案されていますが、市長説明でもあったように三位一体改革による地方交付税の削減が議論されていることもあり、財政状況はさらにきびしくなることを感じざるを得ません。そんななかで、いくら必要な施設でも無理が生じてはならないわけで、慎重に検討を重ね、市民の納得のいくものにしなければなりません。50億円の予算のなかには、防災、消防のシステム、医療検査特殊機器等は含まれていません。また、維持管理費も必要となってきます。「かるぽーと」でも年間5億円近くの維持費となっており、さらに赤字の状況です。比較してもあんしんセンターは、さまざまな機器類の負担、管理がさらに大きいと考えれば、かなり膨らんだ負担となりそうです。
Q建設、維持管理を含めた財政的な見通しと、評価について見解をお聞きします。他の事業を圧迫することにはならないかどうかも含めお聞きします。
次に医師会、歯科医師会等、公益法人のあんしんセンター内の区分所有にあたって、明確にしておかなければならないことで、政治連盟の問題があります。公益法人が、政治連盟をその法人と表裏一体で作っていることが大きな問題になってきました。たとえば地域の医師会に入会すれば自動的に医師連盟に加入させられ会費を徴収される。連盟は会費を資金にして、特定の政党に献金を行い行政を動かそうとする。そこから癒着や腐敗が生まれるということになります。すでに国会でも議論され、平成16年には厚生労働省も各都道府県に通知を出しています。その通知の中で公益法人と政治団体の峻別が適切でない事例のひとつとして、「公益法人が、地方公共団体から有償で借りた建物の一部に、政治団体の事務所が置かれている場合」などを上げています。
Q 公益法人と、政治団体の峻別を、明確にしておくべきと考えるが見解をお聞きします。
最後に公衆浴場について。5月20日に木村会館での入浴サービスが開始されました。地元紙の報道にもありましたように、説明会は廊下にあふれるほどの70名が木村会館に集まりました。お風呂の利用を希望する方約50名が登録。その後も増えつづけ現在80名近くに達しているとのことです。利用者も当初一日6人を予定していたところ、20人を超す日もあり開始後10日間で151名。一日平均15名強であります。ボイラーの能力不足の中、「存続する会」のみなさんも大変苦労されており、改めて銭湯の必要性、関心の高さを実感しているところでもあります。この間、市内全体の銭湯マップの作成など、銭湯の見直しと関心を高めるとりくみを高知市もはじめたところですが
Q入浴サービスを開始した木村会館、そして銭湯無料の日などをはじめた公衆浴場全体の状況ともあわせ、どのような感想をもち、また課題としてはどのように考えておられるのか、見解をお聞きします。
以上で第一問を終わります。